認知症の原因には、アルツハイマー型の他に、脳梗塞や脳溢血といった病気の後の精神的ダメージや身体的変化によって引き起こされるものもあります。
そして、認知症になると現われる症状は、記憶障害や失語や失認などの中核症状と、妄想や不安やうつなどの周辺症状の2つの症状に分けられます。
中核症状から認知症が進むと、周辺症状が強く出てくるようになります。そういった症状が現われ、自分の気持ちも上手く言えなくなり、伝わらないことでますます不安になってしまいます。
また、言葉でのコミュニケーションが難しくなると、顔色を覗ってくるなど、言葉ではないコミュニケーション方法で係わろうとすることもあります。
そして相手の態度に敏感になり、返ってくる態度次第ではまた不安になってしまいます。
そんな悪循環な認知症の症状に、介護士がその態度にイライラしたり、出来ないことに怒ったりして攻めてしまうと、認知症の症状が悪化してしまう可能性があります。そうならないためには、自分たちが認知症の人が考えている世界の中に、合わせた対応をすることが大切になります。
認知症を理解し、その人に合わせた認知症ケアができるように、介護士が穏やかで気持ちに余裕をもった接し方をすることが重要です。そして、全てに手を貸してしまうのではなく、自分の事はなるべく自分でするように見守ることも大切な仕事です。
自尊心を支えながら、ゆったりとした気持ちで、本人にとって穏やかな生活ペースで過ごせるようにサポートします。
現状以上に認知症を進行させないためには、認知症ケアへの理解ある対応が何より大切です。